連続体の力学入門(様式II)

先に棒―連続体の力学序論―を参照することを強く推奨します。
3次元空間中の3次元連続体の力の力学について述べます。
いわゆるx,y,zデカルト座標を採用します。ですので、添字の上げ下げは登場しません。
以下の議論は総和規約を用いると簡潔に書けますが、慣れるまでは可読性が悪いのが難点です。展開して書き下した場合と、総和規約を用いて縮めた場合を以下では併記します。

応力テンソル

物体内部の力の状態は応力テンソル

(1)
\begin{align} \sigma_{ij}=\left[\begin{array}{ccc}\sigma_{xx}&\sigma_{xy}&\sigma_{xz}\\\sigma_{yx}&\sigma_{yy}&\sigma_{yz}\\\sigma_{zx}&\sigma_{zy}&\sigma_{zz} \end{array}\right] \end{align}

によって記述されます。
応力テンソルは次式で定義されます。

(2)
\begin{align} \left[\begin{array}{ccc}\sigma_{xx}&\sigma_{yx}&\sigma_{zx}\\\sigma_{xy}&\sigma_{yy}&\sigma_{zy}\\\sigma_{xz}&\sigma_{yz}&\sigma_{zz} \end{array}\right]\left[\begin{array}{c}n_x\\n_y\\n_z\end{array}\right]=\left[\begin{array}{c}t_x\\t_y\\t_z\end{array}\right] \end{align}

応力テンソルが転置になっていることに注意してください。
ここで、

(3)
\begin{align} n_i=\left[\begin{array}{c}n_x\\n_y\\n_z\end{array}\right] \end{align}

は物体内部の微小要素を取り出し、その表面の微小面積素の単位法線ベクトル(外向き)です。
$da$はそのような微小面積素の面積を表します。

(4)
\begin{align} t_j=\left[\begin{array}{c}t_x\\t_y\\t_z\end{array}\right] \end{align}

はそのよううな微小面積素に作用している外力です。
従って、実際のところ、応力テンソルが表してるのは外力なのです。

総和規約を用いると応力テンソルの定義は、次のように簡潔に書けます。

(5)
\begin{align} \sigma_{ij}n_ida=t_j \end{align}

$\left[\begin{array}{c}\sigma_{xx}\\ \sigma_{xy}\\ \sigma_{xz}\end{array}\right]$$\left[\begin{array}{c}1\\ 0\\ 0\end{array}\right]$方向に働く外力を表しています。他も同様です。添字をわかりやすく{面の向き、力の成分}にした為に応力テンソルの定義式が転置になったのです。

連続体内部の力の釣り合い式

エネルギー原理や仮想仕事の原理から出発すると力の釣り合い式が導けます。しかしこれらは本来、次節以降で示されるように、力の釣り合い式を書き換えたものです。ここでは、もっと確からしい方法で導出します。

固定されていない連続体が外力を受けながら静止している状態を考えます。固定されていた場合、固定領域に働いていた力を作用させ続けながらその固定を外せば、静止したままです。
連続体全体の外力の釣り合いは、
x方向の力の釣り合い:

(6)
\begin{align} \int_a{\left(\sigma_{xx}n_x+\sigma_{yx}n_y+\sigma_{zx}n_z\right)da}+\int_v{f_xdv}=0 \end{align}

y方向の力の釣り合い:

(7)
\begin{align} \int_a{\left(\sigma_{xy}n_x+\sigma_{yy}n_y+\sigma_{zy}n_z\right)da}+\int_v{f_ydv}=0 \end{align}

z方向の力の釣り合い:

(8)
\begin{align} \int_a{\left(\sigma_{xz}n_x+\sigma_{yz}n_y+\sigma_{zz}n_z\right)da}+\int_v{f_zdv}=0 \end{align}

と書けます。
左辺第一項は表面の面積領域に働いている力の合力で、応力テンソルの定義から明らかです。第二項は物体内部の体積領域に働いている力の合力で、重力や磁力などが該当します。しばしば体積力と呼ばれ、通常は重力のみ考えます。従って体積力の合力は連続体の総質量です。
連続体に作用している外力が総て列挙されていることを確認してください。
または、総和規約を用いると

(9)
\begin{align} \int_a{\sigma_{ij}n_ida}+\int_v{f_jdv}=0 \end{align}

と書くこともできます。

さて、左辺第一項はガウスの発散定理により

(10)
\begin{align} \int_a{\left(\sigma_{xx}n_x+\sigma_{yx}n_y+\sigma_{zx}n_z\right)da}=\int_v{\frac{d\sigma_{xx}}{dx}+\frac{d\sigma_{yx}}{dy}+\frac{d\sigma_{zx}}{dz}dv} \end{align}
(11)
\begin{align} \int_a{\left(\sigma_{xy}n_x+\sigma_{yy}n_y+\sigma_{zy}n_z\right)da}=\int_v{\frac{d\sigma_{xy}}{dx}+\frac{d\sigma_{yy}}{dy}+\frac{d\sigma_{zy}}{dz}dv} \end{align}
(12)
\begin{align} \int_a{\left(\sigma_{xz}n_x+\sigma_{yz}n_y+\sigma_{zz}n_z\right)da}=\int_v{\frac{d\sigma_{xz}}{dx}+\frac{d\sigma_{yz}}{dy}+\frac{d\sigma_{zz}}{dz}dv} \end{align}

もしくは

(13)
\begin{align} \int_a{\sigma_{ij}n_ida}=\int_v{\sigma_{ij,i}dv} \end{align}

と書き換えられますので、
x方向の力の釣り合い:

(14)
\begin{align} \int_v{\left(\frac{d\sigma_{xx}}{dx}+\frac{d\sigma_{yx}}{dy}+\frac{d\sigma_{zx}}{dz}\right)dv}+\int_v{f_xdv}=0 \end{align}

y方向の力の釣り合い:

(15)
\begin{align} \int_v{\left(\frac{d\sigma_{xy}}{dx}+\frac{d\sigma_{yy}}{dy}+\frac{d\sigma_{zy}}{dz}\right)dv}+\int_v{f_ydv}=0 \end{align}

z方向の力の釣り合い:

(16)
\begin{align} \int_v{\left(\frac{d\sigma_{xz}}{dx}+\frac{d\sigma_{yz}}{dy}+\frac{d\sigma_{zz}}{dz}\right)dv}+\int_v{f_zdv}=0 \end{align}

と書き換えられます。
もしくは総和規約を用いて

(17)
\begin{align} \int_v{\sigma_{ij,i}dv}+\int_v{f_jdv}=0 \end{align}

と書き換えられます。

さらに、連続体の内部の十分微小な領域を切り取っても上記の議論は成立します。十分微小な領域を切り取れば、そのなかで応力テンソル$\sigma_{ij}$や物体力$f_j$は一定とすることができますから、
x方向の力の釣り合い:

(18)
\begin{align} \lim_{v\to 0}\int_v{\left(\frac{d\sigma_{xx}}{dx}+\frac{d\sigma_{yx}}{dy}+\frac{d\sigma_{zx}}{dz}\right)dv}+\int_v{f_xdv}=0\Rightarrow \left(\frac{d\sigma_{xx}}{dx}+\frac{d\sigma_{yx}}{dy}+\frac{d\sigma_{zx}}{dz}\right)+f_x=0 \end{align}

y方向の力の釣り合い:

(19)
\begin{align} \lim_{v\to 0}\int_v{\left(\frac{d\sigma_{xy}}{dx}+\frac{d\sigma_{yy}}{dy}+\frac{d\sigma_{zy}}{dz}\right)dv}+\int_v{f_ydv}=0\Rightarrow \left(\frac{d\sigma_{xy}}{dx}+\frac{d\sigma_{yy}}{dy}+\frac{d\sigma_{zy}}{dz}\right)+f_y=0 \end{align}

z方向の力の釣り合い:

(20)
\begin{align} \lim_{v\to 0}\int_v{\left(\frac{d\sigma_{xz}}{dx}+\frac{d\sigma_{yz}}{dy}+\frac{d\sigma_{zz}}{dz}\right)dv}+\int_v{f_zdv}=0\Rightarrow \left(\frac{d\sigma_{xz}}{dx}+\frac{d\sigma_{yz}}{dy}+\frac{d\sigma_{zz}}{dz}\right)+f_z=0 \end{align}

もしくは

(21)
\begin{align} \lim_{v\to 0}\int_v{\sigma_{ij,i}dv}+\int_v{f_jdv}=0 \end{align}

として連続体の応力と外力の釣り合い式は、

(22)
\begin{align} \Rightarrow\sigma_{ij,i}+f_j=0 \end{align}

として与えられます。外力は単位堆積当たりの力ですので、基本的に物体力(質量)や磁場中では磁力となります。我々の想像するような外力は、一般的に境界に表面力として作用していますので注意が必要です。
物体力(質量)を無視すれば、

(23)
\begin{align} \sigma_{ij,i}=0 \end{align}

となります。これは自己釣り合い応力場の条件です。成分が9つ(普通は対称テンソルなので6つ)なのに対し方程式は3つですから、これだけでは一通りに決まりません。
以下では、

(24)
\begin{equation} A+B=0 \end{equation}

の形式を釣り合い式と呼び、

(25)
\begin{equation} A=B \end{equation}

の形式を適合条件と呼ぶならば、22式は確かに釣り合い式で、「応力テンソルの発散と物体力が釣り合っている」という意味になります。逆に

(26)
\begin{align} -\sigma_{ij,i}=f_j \end{align}

と書くと「応力テンソルの発散と物体力はよく適合していなければならない」という意味になります。日本語で書くと少し意味不明です。

連続体表面での力の釣り合い式

応力テンソルの定義が

(27)
\begin{align} \sigma_{ij}n_ida=t_j \end{align}

と定義されました。
連続体の表面に作用する単位面積当たりの力を$F_j$と定義すれば

(28)
\begin{align} \sigma_{ij}n_i=F_j \end{align}

と書けます。
$F_j$は表面力と呼ばれます。
これは、「応力テンソルは、連続体の表面で表面力とよく適合していなければならない」という意味です。
釣り合い式と呼ばれますが、実体は力学的な適合条件とか、微分方程式$\sigma_{ij,i}+f_j=0$に対する境界条件と考えるのが適当でしょう。
とにもかくにも、応力テンソルの定義を参照すれば

(29)
\begin{align} -\sigma_{ij}n_i+F_j=0 \end{align}

と書くのは適当とは言えません。(これは一つの立場の表明で、論理的ではありません)

仮想仕事の原理への書き換え

以上より、連続体の力の釣り合いは

(30)
\begin{align} \sigma_{ij,i}+f_j=0\ (\mathrm{in\ v}) \end{align}

(31)
\begin{align} \sigma_{ij}n_i=F_j\ (\mathrm{on\ a}) \end{align}

の連立方程式となります。
ここで、$v$を連続体内部の体積領域、$a$を連続体の表面の面積領域としました。
以下、$dv$をvにおける体積素、$da$をaにおける面積素とします。

さて、この二本の釣り合い式を一本に統合してみます。
そのために勝手なベクトル場$\delta u_j$を用意します。文脈によって、仮想変位場変分ベクトル場重みベクトル場などと呼ばれます。以下では仮想変位と呼びます。

(32)
\begin{align} \int_a{\sigma_{ij}n_i\delta u_jda}=\int_v{\sigma_{ij,i}\delta u_j dv}+\int_v{f_j\delta u_jdv}+\int_a{F_j\delta u_jda} \end{align}

と書けます。$\delta u_j$の任意性より逆に書き戻すことも可能です。

応力テンソルとは、いったいどのような一般力なのか考察しましょう。そのためには応力テンソルの微分を外す必要があります。このとき、部分積分を使う、というのが共通の手続きになっています。
一般に、部分積分は

(33)
\begin{align} \int_v{F_{ij,i}g_jdv}=\int_v{-F_{ij}g_{j,i}dv}+\int_a{F_{ij}n_ig_jda} \end{align}

として与えられます。これを右辺第一項に適用すると

(34)
\begin{align} \int_a{\sigma_{ij}n_{i}\delta u_jda}=-\int_v{\sigma_{ij}\delta u_{j,i} dv}+\int_a{\sigma_{ij}n_i\delta u_jda} \int_v{f_j\delta u_jdv}+\int_a{F_j\delta u_jda} \end{align}

左辺と右辺第二項が打ち消しあいます。さらに右辺第一項を左辺に移行して

(35)
\begin{align} \int_v{\sigma_{ij}\delta u_{j,i} dv}=\int_v{f_j\delta u_jdv}+\int_a{F_j \delta u_jda} \end{align}

ここで、

(36)
\begin{align} \delta e_{ij}=\delta u_{j,i} \end{align}

と書くという約束を導入すると(これは定義というよりは、命名規則です)

(37)
\begin{align} \int_v{\sigma_{ij}\delta e_{ij} dv}=\int_v{f_j\delta u_jdv}+\int_a{F_j\delta u_jda} \end{align}

このようにして、連続体における仮想仕事の原理が得られました。

釣り合い式の復元

今度は仮想仕事の原理から出発しましょう。上記の事柄を忘れて、ただ信じてみましょう。何がおきるでしょうか。

(38)
\begin{align} \int_v{\sigma_{ij}\delta e_{ij} dv}=\int_v{f_j\delta u_jdv}+\int_a{F_j\delta u_jda} \end{align}

目標は、$\delta u_j$を一番外に括り出すことです。そうすると、$\delta u_j$が外れて、手計算や数値計算で解きやすい形の微分方程式が得られます。
まず、

(39)
\begin{align} \delta e_{ij}=\delta u_{j,i} \end{align}

を代入して、

(40)
\begin{align} \int_v{\sigma_{ij}\delta u_{j,i} dv}=\int_v{f_j\delta u_jdv}+\int_a{F_j \delta u_jda} \end{align}

次に部分積分

(41)
\begin{align} \int_v{F_{ij}g_{j,i}dv}=\int_v{F_{ij,i}g_jdv}-\int_a{F_{ij}n_ig_jda} \end{align}

を適用して、

(42)
\begin{align} -\int_v{\sigma_{ij,i}\delta u_jdv}+\int_a{\sigma_{ij}n_i\delta u_jda}=\int_v{f_j\delta u_jdv}+\int_a{F_j\delta u_jda} \end{align}

$\delta u_j$の任意性よりいかなる仮想変位に対しても上式が満たされるためには

(43)
\begin{align} -\sigma_{ij,i}=f_j\Leftrightarrow \sigma_{ij,i}+f_j=0\ (\mathrm{in\ v}) \end{align}
(44)
\begin{align} \sigma_{ij}n_i=F_j\ (\mathrm{on\ a}) \end{align}

が連続体内部、表面の総ての場所で満たされていることが必要十分です。
このようにして、仮想仕事の原理から力の釣り合い式を復元することができます。

歪テンソル

ここで、次のように$\boldsymbol{X},\boldsymbol{u},\boldsymbol{x}$を定義します。

(45)
\begin{align} \boldsymbol{X}(\theta^1,\theta^2,\theta^3)=\boldsymbol{x}(\theta^1,\theta^2,\theta^3)+\boldsymbol{u}(\theta^1,\theta^2,\theta^3) \end{align}

順に変形後の形状、変形前の形状、変位を表します。
また、

(46)
\begin{align} \boldsymbol{G}_i=\frac{\partial \boldsymbol{X}}{\partial \theta^i} \end{align}
(47)
\begin{align} \boldsymbol{g}_i=\frac{\partial \boldsymbol{x}}{\partial \theta^i} \end{align}

としましょう。さらに

(48)
\begin{align} d\boldsymbol{X}=d\theta^i\boldsymbol{G}_i \end{align}
(49)
\begin{align} d\boldsymbol{x}=d\theta^i\boldsymbol{g}_i \end{align}
(50)
\begin{align} d\boldsymbol{u}=d\theta^i\left(\boldsymbol{G}_i-\boldsymbol{g}_i\right) \end{align}

また、単位テンソルは二種類定義できて

(51)
\begin{align} \boldsymbol{I}_x=\boldsymbol{g}_i\otimes\boldsymbol{g}^i \end{align}
(52)
\begin{align} \boldsymbol{I}_X=\boldsymbol{G}_i\otimes\boldsymbol{G}^i \end{align}

3次元ユークリッド空間中の3次元弾性体においては

(53)
\begin{align} \boldsymbol{I}_x=\boldsymbol{I}_X \end{align}

ですが、曲面などでは成り立ちません。
さて、
一般に連続体中では単位テンソルを用いて、

(54)
\begin{align} d\boldsymbol{x}=\boldsymbol{I}_x\cdot d\boldsymbol{x} \end{align}

ですが、変形を考え、自然に拡張すると、

(55)
\begin{align} d\boldsymbol{X}=\boldsymbol{F}\cdot d\boldsymbol{x} \end{align}

と書けます。$d\boldsymbol{X}$は変形後の微小線素です。$\boldsymbol{F}$を変形勾配テンソルと呼びます。
$\boldsymbol{I}_x,\boldsymbol{F},$を用いると$d\boldsymbol{u}$

(56)
\begin{align} d\boldsymbol{u}=d\boldsymbol{X}-d\boldsymbol{x}=\left(\boldsymbol{F}-\boldsymbol{I}_x\right)\cdot d\boldsymbol{x} \end{align}

と書けます。
$\boldsymbol{F}$を具体化します。単位テンソルの拡張として、変形勾配テンソルは

(57)
\begin{align} \boldsymbol{F}=\boldsymbol{G}_i\otimes\boldsymbol{g}^i \end{align}

と定義出来ます。

(58)
\begin{align} d\boldsymbol{X}-d\boldsymbol{x}=(\boldsymbol{F}-\boldsymbol{I}_x)\cdot d\boldsymbol{x}=\left(\boldsymbol{G}_i-\boldsymbol{g}_i\right)\otimes\boldsymbol{g}^i\cdot d\boldsymbol{x}=\left(\boldsymbol{G}_i-\boldsymbol{g}_i\right)d\theta^i=d\boldsymbol{u} \end{align}

となり確かに辻褄があいます。
変形勾配テンソルファミリーは全部で4つ定義されます。

(59)
\begin{align} \boldsymbol{F}=\boldsymbol{G}_i\otimes\boldsymbol{g}^i \end{align}
(60)
\begin{align} \boldsymbol{F}^{-1}=\boldsymbol{g}_i\otimes\boldsymbol{G}^i \end{align}
(61)
\begin{align} \boldsymbol{F}^T=\boldsymbol{g}^i\otimes\boldsymbol{G}_i \end{align}
(62)
\begin{align} \boldsymbol{F}^{-T}=\boldsymbol{G}^i\otimes\boldsymbol{g}_i \end{align}

それぞれ

(63)
\begin{align} \boldsymbol{F}\cdot\boldsymbol{g}_\alpha=\boldsymbol{G}_\alpha \end{align}
(64)
\begin{align} \boldsymbol{F}^{-1}\cdot\boldsymbol{G}_\alpha=\boldsymbol{g}_\alpha \end{align}
(65)
\begin{align} \boldsymbol{F}^T\cdot\boldsymbol{G}^\alpha=\boldsymbol{g}^\alpha \end{align}
(66)
\begin{align} \boldsymbol{F}^{-T}\cdot\boldsymbol{g}^\alpha=\boldsymbol{G}^\alpha \end{align}

なる変換を担います。

さて、歪テンソルの導出に入る前に、変位勾配テンソルを

(67)
\begin{align} \boldsymbol{u}\otimes\nabla_x=\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\otimes\boldsymbol{g}^i \end{align}
(68)
\begin{align} \boldsymbol{u}\otimes\nabla_X=\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\otimes\boldsymbol{G}^i \end{align}
(69)
\begin{align} \nabla_x\otimes\boldsymbol{u}=\boldsymbol{g}^i\otimes\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i} \end{align}
(70)
\begin{align} \nabla_X\otimes\boldsymbol{u}=\boldsymbol{G}^i\otimes\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i} \end{align}

で定義しおきます。あとで歪テンソルと比較します。ここで

(71)
\begin{align} \nabla_x\equiv\frac{\partial}{\partial \theta^i}\otimes\boldsymbol{g}^i \end{align}
(72)
\begin{align} \nabla_X\equiv\frac{\partial}{\partial \theta^i}\otimes\boldsymbol{G}^i \end{align}

と定義しました。

(73)
\begin{align} \boldsymbol{u}\otimes\nabla_x\cdot d\boldsymbol{x}=d\boldsymbol{u} \end{align}
(74)
\begin{align} \boldsymbol{u}\otimes\nabla_X\cdot d\boldsymbol{X}=d\boldsymbol{u} \end{align}

ですから実は

(75)
\begin{align} \boldsymbol{u}\otimes\nabla_x=(\boldsymbol{F}-\boldsymbol{I}_x) \end{align}
(76)
\begin{align} \boldsymbol{u}\otimes\nabla_X=(\boldsymbol{I}_X-\boldsymbol{F}^{-1}) \end{align}

です。また、$\nabla_x,\nabla_X$を用いると

(77)
\begin{align} \boldsymbol{F}=\boldsymbol{X}\otimes\nabla_x \end{align}
(78)
\begin{align} \boldsymbol{F}^{-1}=\boldsymbol{x}\otimes\nabla_X \end{align}
(79)
\begin{align} \boldsymbol{F}^T=\nabla_x\otimes\boldsymbol{X} \end{align}
(80)
\begin{align} \boldsymbol{F}^{-T}=\nabla_X\otimes\boldsymbol{x} \end{align}

と表現できます。
歪テンソルはこれとは異なる文脈で定義されます。
まず変形後の第一基本形式と変形前の第一基本形式を考えます。

(81)
\begin{align} \boldsymbol{G}_i\cdot \boldsymbol{G}_j=G_{ij} \end{align}
(82)
\begin{align} \boldsymbol{g}_i\cdot \boldsymbol{g}_j=g_{ij} \end{align}

と定義すると

(83)
\begin{align} d\boldsymbol{X}\cdot d\boldsymbol{X}=G_{ij}d\theta^id\theta^j \end{align}
(84)
\begin{align} d\boldsymbol{x}\cdot d\boldsymbol{x}=g_{ij}d\theta^id\theta^j \end{align}

ですが一方で

(85)
\begin{align} d\boldsymbol{X}\cdot d\boldsymbol{X}=d\boldsymbol{x}\cdot\boldsymbol{g}^i\otimes\boldsymbol{G}_i\cdot\boldsymbol{G}_j\otimes\boldsymbol{g}^j\cdot d\boldsymbol{x}=d\boldsymbol{x}\cdot\boldsymbol{F}^T\cdot\boldsymbol{F}\cdot d\boldsymbol{x} \end{align}
(86)
\begin{align} d\boldsymbol{x}\cdot d\boldsymbol{x}=d\boldsymbol{x}\cdot \boldsymbol{I}_x \cdot d\boldsymbol{x} \end{align}

より

(87)
\begin{align} d\boldsymbol{X}\cdot d\boldsymbol{X}-d\boldsymbol{x}\cdot d\boldsymbol{x}=d\boldsymbol{x}\cdot(\boldsymbol{F}^T\cdot\boldsymbol{F}-\boldsymbol{I}_x)\cdot d\boldsymbol{x} \end{align}

歪を考えるとき、このように変形前と後の微小線素の長さの二乗の差を考えるのが基本となります。

(88)
\begin{align} \boldsymbol{E}=\frac{1}{2}(\boldsymbol{F}^T\cdot\boldsymbol{F}-\boldsymbol{I}_x) \end{align}

をGreenの歪テンソルもしくはLagrangeの歪テンソルといいます。
$\boldsymbol{E}$の成分は当然(第一基本形式の差で定義したため)

(89)
\begin{align} E_{ij}=\boldsymbol{g}_i\cdot\boldsymbol{E}\cdot \boldsymbol{g}_j=\frac{1}{2}(G_{ij}-g_{ij}) \end{align}

で与えられます。
結局Green歪テンソルのもっとも分かりやすい定義は

(90)
\begin{align} \boldsymbol{E}=\frac{1}{2}(G_{ij}-g_{ij})\boldsymbol{g}^i\otimes\boldsymbol{g}^j \end{align}

でしょう。
2次形式との関係は

(91)
\begin{align} \frac{1}{2}(d\boldsymbol{X}\cdot d\boldsymbol{X}-d\boldsymbol{x}\cdot d\boldsymbol{x})=\frac{1}{2}(G_{ij}-g_{ij})d\theta^id\theta^j=E_{ij}d\theta^id\theta^j=d\boldsymbol{x}\cdot\boldsymbol{E}\cdot d\boldsymbol{x} \end{align}

と表せます。
ここで

(92)
\begin{align} G_{ij}=\frac{\partial\boldsymbol{x}+\boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot\frac{\partial\boldsymbol{x}+\boldsymbol{u}}{\partial \theta^j} \end{align}
(93)
\begin{align} =g_{ij}+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot \boldsymbol{g}_j+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}\cdot \boldsymbol{g}_i \end{align}

より

(94)
\begin{align} E_{ij}=\frac{1}{2}\left(\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot \boldsymbol{g}_j+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}\cdot \boldsymbol{g}_i\right) \end{align}

よって、

(95)
\begin{align} \boldsymbol{E}=\frac{1}{2}\left(\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot \boldsymbol{g}_j+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}\cdot \boldsymbol{g}_i\right)\boldsymbol{g}^i\otimes\boldsymbol{g}^j \end{align}

ここまでに一切近似は入っていません。

今度は変形後で考えます。

(96)
\begin{align} d\boldsymbol{X}\cdot d\boldsymbol{X}=d\boldsymbol{X}\cdot\boldsymbol{I}_X\cdot d\boldsymbol{X} \end{align}

また、

(97)
\begin{align} d\boldsymbol{x}\cdot d\boldsymbol{x}=d\boldsymbol{X}\cdot \boldsymbol{F}^{-T}\cdot\boldsymbol{F}^{-1}d\boldsymbol{X} \end{align}

ですから

(98)
\begin{align} d\boldsymbol{X}\cdot d\boldsymbol{X}-d\boldsymbol{x}\cdot d\boldsymbol{x}=d\boldsymbol{X}\cdot\left(\boldsymbol{I}_X-\boldsymbol{F}^{-T}\cdot \boldsymbol{F}^{-1}\right)\cdot d\boldsymbol{X} \end{align}

そこで

(99)
\begin{align} \boldsymbol{e}=\frac{1}{2}\left(\boldsymbol{I}_X-\boldsymbol{F}^{-T}\cdot \boldsymbol{F}^{-1}\right) \end{align}

をAlmansiの歪テンソルもしくはEulerの歪テンソルと呼びます。
こちらも、第二基本形式の差として定義しましたので当然

(100)
\begin{align} e_{ij}=\boldsymbol{G}_i\cdot\boldsymbol{e}\cdot\boldsymbol{G}_j=\frac{1}{2}(G_{ij}-g_{ij}) \end{align}

となります。つまりAlmansi-Euler歪テンソルのもっともわかりやすい定義は

(101)
\begin{align} \boldsymbol{e}=\frac{1}{2}(G_{ij}-g_{ij})\boldsymbol{G}^i\otimes\boldsymbol{G}^j \end{align}

となります。
2次形式との関係は

(102)
\begin{align} \frac{1}{2}\left(d\boldsymbol{X}\cdot d\boldsymbol{X}-d\boldsymbol{x}\cdot d\boldsymbol{x}\right)=\frac{1}{2}\left(G_{ij}-g_{ij}\right)d\theta^id\theta^j=E_{ij}d\theta^id\theta^j=d\boldsymbol{X}\cdot\boldsymbol{E}\cdot d\boldsymbol{X} \end{align}

と表せます。

ここで

(103)
\begin{align} g_{ij}=\frac{\partial\boldsymbol{X}-\boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot\frac{\partial\boldsymbol{X}-\boldsymbol{u}}{\partial \theta^j} \end{align}
(104)
\begin{align} =G_{ij}+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}-\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot \boldsymbol{G}_j-\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}\cdot \boldsymbol{G}_i \end{align}

より

(105)
\begin{align} e_{ij}=\frac{1}{2}\left(-\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot \boldsymbol{G}_j+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}\cdot \boldsymbol{G}_i\right) \end{align}

よって、

(106)
\begin{align} \boldsymbol{e}=\frac{1}{2}\left(-\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot \boldsymbol{G}_j+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}\cdot \boldsymbol{G}_i\right)\boldsymbol{G}^i\otimes\boldsymbol{G}^j \end{align}

ここまでに一切近似は入っていません。

ここで、これまでに登場したテンソルを一覧します。
微分演算子

(107)
\begin{align} \nabla_x=\frac{\partial}{\partial \theta^i}\otimes\boldsymbol{g}^i \end{align}
(108)
\begin{align} \nabla_X=\frac{\partial}{\partial \theta^i}\otimes\boldsymbol{G}^i \end{align}

単位テンソル

(109)
\begin{align} \boldsymbol{I}_x=\boldsymbol{g}_i\otimes\boldsymbol{g}^i=\boldsymbol{g}^i\otimes\boldsymbol{g}_i \end{align}
(110)
\begin{align} \boldsymbol{I}_X=\boldsymbol{G}_i\otimes\boldsymbol{G}^i=\boldsymbol{G}^i\otimes\boldsymbol{g}_i \end{align}

変形勾配テンソル

(111)
\begin{align} \boldsymbol{F}=\boldsymbol{G}_i\otimes\boldsymbol{g}^i \end{align}
(112)
\begin{align} \boldsymbol{F}^{-1}=\boldsymbol{g}_i\otimes\boldsymbol{G}^i \end{align}
(113)
\begin{align} \boldsymbol{F}^T=\boldsymbol{g}^i\otimes\boldsymbol{G}_i \end{align}
(114)
\begin{align} \boldsymbol{F}^{-T}=\boldsymbol{G}^i\otimes\boldsymbol{g}_i \end{align}

変位勾配テンソル

(115)
\begin{align} \boldsymbol{u}\otimes\nabla_x=\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\otimes\boldsymbol{g}^i=(\boldsymbol{F}-\boldsymbol{I}_x) \end{align}
(116)
\begin{align} \nabla_x\otimes\boldsymbol{u}=\boldsymbol{g}^i\otimes\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}=(\boldsymbol{F}^T-\boldsymbol{I}_x) \end{align}
(117)
\begin{align} \boldsymbol{u}\otimes\nabla_X=\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\otimes\boldsymbol{G}^i=(\boldsymbol{F}^{-1}-\boldsymbol{I}_X) \end{align}
(118)
\begin{align} \nabla_X\otimes\boldsymbol{u}=\boldsymbol{G}^i\otimes\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}=(\boldsymbol{F}^{-T}-\boldsymbol{I}_X) \end{align}

Green-Lagrange歪テンソル

(119)
\begin{align} \boldsymbol{E}=\frac{1}{2}\left(\boldsymbol{F}^{T}\cdot \boldsymbol{F}-\boldsymbol{I}_x\right) \end{align}
(120)
\begin{align} \boldsymbol{E}=\frac{1}{2}(G_{ij}-g_{ij})\boldsymbol{g}^i\otimes\boldsymbol{g}^j \end{align}
(121)
\begin{align} \boldsymbol{E}=\frac{1}{2}\left(\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot \boldsymbol{g}_j+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}\cdot \boldsymbol{g}_i\right)\boldsymbol{g}^i\otimes\boldsymbol{g}^j \end{align}

Almansi-Euler歪テンソル

(122)
\begin{align} \boldsymbol{e}=\frac{1}{2}\left(\boldsymbol{I}_X-\boldsymbol{F}^{-T}\cdot \boldsymbol{F}^{-1}\right) \end{align}
(123)
\begin{align} \boldsymbol{e}=\frac{1}{2}(G_{ij}-g_{ij})\boldsymbol{G}^i\otimes\boldsymbol{G}^j \end{align}
(124)
\begin{align} \boldsymbol{e}=\frac{1}{2}\left(-\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot \boldsymbol{G}_j+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}\cdot \boldsymbol{G}_i\right)\boldsymbol{G}^i\otimes\boldsymbol{G}^j \end{align}

ここで変位の全微分と、第一基本形式の差を一覧してみます。
全微分、2次形式

(125)
\begin{align} d\boldsymbol{u}=\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}d\theta^i=(\boldsymbol{F}-\boldsymbol{I})\cdot d\boldsymbol{x} \end{align}
(126)
\begin{align} d\boldsymbol{u}=\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}d\theta^i=d\boldsymbol{x}\cdot (\boldsymbol{F}^T-\boldsymbol{I}) \end{align}
(127)
\begin{align} d\boldsymbol{u}=\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}d\theta^i=(\boldsymbol{F}^{-1}-\boldsymbol{I})\cdot d\boldsymbol{X} \end{align}
(128)
\begin{align} d\boldsymbol{u}=\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}d\theta^i=d\boldsymbol{X}\cdot (\boldsymbol{F}^{-T}-\boldsymbol{I}) \end{align}
(129)
\begin{align} \frac{1}{2}(G_{ij}-g_{ij})d\theta^id\theta^j=E_{ij}d\theta^id\theta^j=d\boldsymbol{x}\cdot\boldsymbol{E}\cdot d\boldsymbol{x} \end{align}
(130)
\begin{align} \frac{1}{2}(G_{ij}-g_{ij})d\theta^id\theta^j=e_{ij}d\theta^id\theta^j=d\boldsymbol{X}\cdot\boldsymbol{e}\cdot d\boldsymbol{X} \end{align}

なんだか、$\boldsymbol{x}$,$\boldsymbol{X}$、前形、後形の区別は人為的なもので、区別する必然性がないように感じられます。
さらに、

(131)
\begin{align} \frac{1}{2}(G_{ij}-g_{ij})d\theta^id\theta^j \end{align}
(132)
\begin{align} \boldsymbol{E}=\frac{1}{2}(G_{ij}-g_{ij})\boldsymbol{g}^i\otimes\boldsymbol{g}^j \end{align}
(133)
\begin{align} \boldsymbol{e}=\frac{1}{2}(G_{ij}-g_{ij})\boldsymbol{G}^i\otimes\boldsymbol{G}^j \end{align}

の3つを見比べると、みんな同じものの異なる表現ではないか?という疑問が湧いてきます。このようにして基底ベクトルはその実体が希薄になり、そもそも第一基本形式が2階のテンソルであると解釈され、現代流の幾何学へと抽象化されていきます。
微小近似
教科書に必ず登場する微小仮定による近似を済ませておきましょう。
変位が十分に小さければ

(134)
\begin{align} \boldsymbol{E}\approx\frac{1}{2}\left(\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot \boldsymbol{g}_j+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}\cdot \boldsymbol{g}_i\right)\boldsymbol{g}^i\otimes\boldsymbol{g}^j \end{align}
(135)
\begin{align} \boldsymbol{e}\approx\frac{1}{2}\left(\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot \boldsymbol{G}_j+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}\cdot \boldsymbol{G}_i\right)\boldsymbol{G}^i\otimes\boldsymbol{G}^j \end{align}
(136)
\begin{align} \frac{1}{2}\left(\boldsymbol{u}\otimes\nabla_x+\nabla_x\otimes\boldsymbol{u}\right)=\frac{1}{2}\left(\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot \boldsymbol{g}_j+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}\cdot \boldsymbol{g}_i\right)\boldsymbol{g}^i\otimes\boldsymbol{g}^j \end{align}
(137)
\begin{align} \frac{1}{2}\left(\boldsymbol{u}\otimes\nabla_X+\nabla_X\otimes\boldsymbol{u}\right)=\frac{1}{2}\left(\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^i}\cdot \boldsymbol{G}_j+\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial \theta^j}\cdot \boldsymbol{G}_i\right)\boldsymbol{G}^i\otimes\boldsymbol{G}^j \end{align}

歪の適合条件式

以下ではEinsteinの総和規約(Einstein summation convention)を断りなく用います。

もっとも単純な可積分条件

関数$p(\theta^1,\theta^2),q(\theta^1,\theta^2)$が与えられたとき

(138)
\begin{align} p=\frac{\partial f}{\partial \theta^1},q=\frac{\partial f}{\partial \theta^2} \end{align}

と書けるような関数$f(\theta^1,\theta^2)$が見つかる必要条件を積分可能条件と呼びます。
基本的なアイデアはとても簡単です。偏微分は順序に依らないこと、つまり

(139)
\begin{align} \frac{\partial^2 f}{\partial \theta^1\partial \theta^2}=\frac{\partial^2 f}{\partial \theta^2\partial \theta^1} \end{align}

を用いるのです。すると、

(140)
\begin{align} \frac{\partial p}{\partial \theta^2}=\frac{\partial^2 f}{\partial \theta^2\partial \theta^1},\frac{\partial q}{\partial \theta^1}=\frac{\partial^2 f}{\partial \theta^1\partial \theta^2} \end{align}

より、

(141)
\begin{align} \frac{\partial p}{\partial \theta^2}=\frac{\partial q}{\partial \theta^1} \end{align}

これが可積分条件となります。十分条件とはいえないことに注意しましょう。

微分形式と外微分を用いた表示

今度は関数$p(\theta^1,\theta^2,\theta^3),q(\theta^1,\theta^2,\theta^3),r(\theta^1,\theta^2,\theta^3)$が与えられたとき

(142)
\begin{align} p=\frac{\partial f}{\partial \theta^1},q=\frac{\partial f}{\partial \theta^2},r=\frac{\partial f}{\partial \theta^3} \end{align}

と書けるような関数$f(\theta^1,\theta^2,\theta^3)$が見つかる必要条件を積分可能条件を導きましょう。
まず、微分1形式(1-form)を

(143)
\begin{align} \omega=a_1d\theta^1+a_2d\theta^2+a_3d\theta^3 \end{align}

と定義します。
関数$f$の全微分は微分1形式で

(144)
\begin{align} df=\frac{\partial f}{\partial \theta^1}d\theta^1+\frac{\partial f}{\partial \theta^2}d\theta^2+\frac{\partial f}{\partial \theta^3}d\theta^3 \end{align}

となります。一方で、微分1形式

(145)
\begin{align} \omega=pd\theta^1+qd\theta^2+rd\theta^3 \end{align}

を定義すれば前述の積分可能条件は

(146)
\begin{align} df=\omega \end{align}

と書ける関数$f$が存在する条件として簡潔かつ明快に定式化できます。そのような$f$が存在するとき$\omega$を完全形式(Perfect Form)と呼びます。
次に微分2形式(2-form)を定義します。これは

(147)
\begin{align} \omega=a_1d\theta^2\wedge d\theta^3+a_2d\theta^3\wedge d\theta^1+a_3d\theta^1\wedge d\theta^2 \end{align}

と書かれます。$d\theta^\alpha\wedge d\theta^\beta$は微分2形式の基底ですが次のようなルールが定められているため

(148)
\begin{align} d\theta^\alpha \wedge d\theta^\alpha=0 \end{align}
(149)
\begin{align} d\theta^\alpha\wedge d\theta^\beta=-d\theta^\beta\wedge d\theta^\alpha \end{align}

独立な基底は3本となります。このような積をウエッジ積または単に外積(ベクトル代数の外積を3次元以外に拡張したもの)と呼びます。
微分1形式から微分2形式を作成する演算として外微分(exterior differential)を定義します。

(150)
\begin{align} \omega=a_1d\theta^1+a_2d\theta^2+a_3d\theta^3 \end{align}

に対して

(151)
\begin{align} d\omega\equiv\frac{\partial a_1}{\partial \theta^k}d\theta^k\wedge d\theta^1+\frac{\partial a_2}{\partial \theta^k}d\theta^k\wedge d\theta^2+\frac{\partial a_3}{\partial \theta^k}d\theta^k\wedge d\theta^3(k=1,2,3) \end{align}

という演算を外微分と呼びます。前述のウェッジ積のルールにより

(152)
\begin{align} d\omega=\left(\frac{\partial a_2}{\partial \theta^1}-\frac{\partial a_1}{\partial \theta^2}\right)d\theta^1\wedge d\theta^2+\left(\frac{\partial a_3}{\partial \theta^2}-\frac{\partial a_2}{\partial \theta^3}\right)d\theta^2\wedge d\theta^3+\left(\frac{\partial a_1}{\partial \theta^3}-\frac{\partial a_3}{\partial \theta^1}\right)d\theta^3\wedge d\theta^1 \end{align}

さて、以上より積分可能条件が機械的に導出できます

(153)
\begin{align} ddf=\left(\frac{\partial^2 f}{\partial \theta^1\partial\theta^2}-\frac{\partial^2 f}{\partial \theta^2\partial\theta^1}\right)d\theta^1\wedge d\theta^2+\cdots=0 \end{align}

ですから

(154)
\begin{align} df=\omega \end{align}

なる$f$が存在するならば必ず

(155)
\begin{align} d\omega=0 \end{align}

一方で$d\omega=0$が満たされたとしても必ず$df=\omega$なる$f$が見つかるとは限りませんからこれは必要条件であり十分条件ではありません。一般に$d\omega=0$を満たす微分形式を閉形式(closed form)と呼びます。
成分表示すると

(156)
\begin{align} d\omega=\left(\frac{\partial q}{\partial \theta^1}-\frac{\partial p}{\partial \theta^2}\right)d\theta^1\wedge d\theta^2+\left(\frac{\partial r}{\partial \theta^2}-\frac{\partial q}{\partial \theta^3}\right)d\theta^2\wedge d\theta^3+\left(\frac{\partial p}{\partial \theta^3}-\frac{\partial r}{\partial \theta^1}\right)d\theta^3\wedge d\theta^1=0 \end{align}

より

(157)
\begin{align} \frac{\partial q}{\partial \theta^1}-\frac{\partial p}{\partial \theta^2}=0\ ,\ \frac{\partial r}{\partial \theta^2}-\frac{\partial q}{\partial \theta^3}=0\ ,\ \frac{\partial p}{\partial \theta^3}-\frac{\partial r}{\partial \theta^1}=0\ ,\ \end{align}

同様に任意の微分1形式

(158)
\begin{align} df=\frac{\partial f}{\partial \theta^i}d\theta^i(1\le i \le N) \end{align}

に対し

(159)
\begin{align} ddf=\left(\frac{\partial^2 f}{\partial \theta^i \partial \theta^j}-\frac{\partial^2 f}{\partial \theta^j \partial\theta^i}\right)d\theta^i \wedge\theta^j=0(1\le i,j \le N) \end{align}

からN個の関数から1個の関数に積分可能な必要条件が機械的に求まります。

St. Venantの歪の適合条件

微小ひずみは

(160)
\begin{align} e_{ij}=\frac{1}{2}\left(\frac{\partial u_j}{\partial \theta^i}+\frac{\partial u_i}{\partial \theta^j}\right)(1\le i,j \le 3) \end{align}

として定義されます。
よく知られているように

(161)
\begin{equation} e_{ij}=e_{ji} \end{equation}

ですから3次元の場合6つの歪の成分があります。歪が与えられたとき、$u_1,u_2,u_3$つまり変位を積分できるための必要条件をSt.Venantの歪の適合条件と呼びます。
つまり、歪は3次元ユークリッド空間によく適合していなければなりません
ここでは、任意の関数$f$に対して$ddf=0$を用います。
まず、歪から2次形式

(162)
\begin{align} e_{ij}d\theta^i d\theta^j \end{align}

を作成します。2次形式はディアドを用いて

(163)
\begin{align} e_{ij}d\theta^i \otimes d\theta^j \end{align}

と書くこともできます。結局歪の適合条件は

(164)
\begin{align} e_{ij}d\theta^i \otimes d\theta^j \end{align}

(165)
\begin{align} \frac{1}{2}\left(\frac{\partial u_j}{\partial \theta^i}+\frac{\partial u_i}{\partial \theta^j}\right)d\theta^i \otimes d\theta^j \end{align}

と書けるような$u_1\cdots u_N$が見つかる条件となります。
このようなディアド積に対しては外微分は前形、後形の二つが別々に定義されます。つまり

(166)
\begin{align} d\wedge\left( a_{ij}d\theta^i\otimes d\theta^j\right)=\frac{\partial a_{ij}}{\partial\theta^k}d\theta^k\wedge d\theta^i\otimes d\theta^j \end{align}
(167)
\begin{align} \left( a_{ij}d\theta^i\otimes d\theta^j\right)\wedge d=\frac{\partial a_{ij}}{\partial\theta^k} d\theta^i\otimes d\theta^j\wedge d\theta^k \end{align}

と定義されます。さらに

(168)
\begin{align} \left(d\wedge\left( a_{ij}d\theta^i\otimes d\theta^j\right)\right)\wedge d=\frac{\partial^2 a_{ij}}{\partial \theta^l\partial\theta^k}d\theta^k\wedge d\theta^i\otimes d\theta^j\wedge \theta^l \end{align}
(169)
\begin{align} d\wedge\left(\left( a_{ij}d\theta^i\otimes d\theta^j\right)\wedge d\right)= \frac{\partial^2 a_{ij}}{\partial \theta^l \partial\theta^k} d\theta^l \wedge d\theta^i\otimes d\theta^j\wedge d\theta^k \end{align}

両者が$k,l$に関して対称であることにより

(170)
\begin{align} \left(d\wedge\left(a_{ij} d\theta^i \otimes d\theta^j\right) \right)\wedge d=d\wedge\left(\left(a_{ij} d\theta^i \otimes d\theta^j\right) \wedge d\right) \end{align}

ですから、新しい演算$d\wedge \left(a_{ij}d\theta^i\otimes d\theta^j\right)\wedge d$

(171)
\begin{align} d\wedge \left(a_{ij}d\theta^i\otimes d\theta^j\right)\wedge d=\left(d\wedge\left(a_ij d\theta^i \otimes d\theta^j\right) \right)\wedge d \end{align}
(172)
\begin{align} d\wedge \left(a_{ij}d\theta^i\otimes d\theta^j\right)\wedge d=d\wedge\left(\left(a_ij d\theta^i \otimes d\theta^j\right) \wedge d\right) \end{align}

のどちらを用いてもよいと多重定義できます。
さらに、

(173)
\begin{align} \nu=\nu_{ij}d\theta^i\otimes d\theta^j \end{align}
(174)
\begin{align} \mu=\mu_{ij}d\theta^i\otimes d\theta^j \end{align}

なる二つのディアド積に対し、$\nu,\mu$のそれぞれに異なる計算順序を用いて

(175)
\begin{align} d\wedge (\nu+\mu)\wedge d=d\wedge(\nu\wedge d)+(d\wedge \mu)\wedge d \end{align}

と計算しても問題は生じません。
以上で役者が出揃いました。St. Venantの適合方程式の導出を行います。

(176)
\begin{align} \frac{1}{2}\left(\frac{\partial u_j}{\partial \theta^i}+\frac{\partial u_i}{\partial \theta^j}\right)d\theta^i\otimes d\theta^j \end{align}

に対し

(177)
\begin{align} \frac{1}{2}d\wedge\left(\left(\frac{\partial u_j}{\partial \theta^i}+\frac{\partial u_i}{\partial \theta^j}\right)d\theta^i \otimes d\theta^j\right)\wedge d \end{align}

を計算してみましょう。これは以下の二つの量の和として計算出来ます。

(178)
\begin{align} \frac{1}{2}\left(d\wedge\left(\frac{\partial u_j}{\partial \theta^i}d\theta^i\otimes d\theta^j\right)\right)\wedge d \end{align}
(179)
\begin{align} \frac{1}{2}d\wedge\left(\left(\frac{\partial u_i}{\partial \theta^j}d\theta^i\otimes d\theta^j\right)\wedge d\right) \end{align}

ところが

(180)
\begin{align} d\wedge\left(\frac{\partial u_j}{\partial\theta^i}d\theta^i\right)=0 \end{align}
(181)
\begin{align} d\wedge\left(\frac{\partial u_i}{\partial \theta^j}d\theta^j\right)=0 \end{align}

ですから両者は共に0となり、結局

(182)
\begin{align} \frac{1}{2}d\wedge\left(\left(\frac{\partial u_j}{\partial \theta^i}+\frac{\partial u_i}{\partial \theta^j}\right)d\theta^i \otimes d\theta^j\right)\wedge d=0 \end{align}

これより可積分条件が導出できます。つまり

(183)
\begin{align} d\wedge\left(e_{ij}d\theta^i\otimes d\theta^j\right)\wedge d=0 \end{align}

こそが歪の適合条件にほかなりません。具体的には

(184)
\begin{align} \frac{\partial^2 e_{ij}}{\partial \theta^l \partial\theta^k}d\theta^k\wedge d\theta^i\otimes d\theta^j \wedge d\theta^l=0 \end{align}

と明快に表現できます。
$1\le i,j \le 3$、つまり3次元空間のときこれはSt.Venantの適合条件と呼ばれる6本の方程式に還元されます。次にこれを示します。

(185)
\begin{align} R=\frac{\partial^{2}e_{ij}}{\partial x^{l}\partial x^{k}}dx^{k}\wedge dx^{i}\otimes dx^{j}\wedge dx^{l} \end{align}

(186)
\begin{align} R=R_{ijkl}dx^{k}\wedge dx^{i}\otimes dx^{j}\wedge dx^{l} \end{align}

と書いたとき$R_{ijkl}=\frac{\partial^{2}e_{ij}}{\partial x^{l}\partial x^{k}}$とは書けません。$dx^{i}\wedge dx^{j}=-dx^{j}\wedge dx^{i},dx^{i}\wedge dx^{i}=0$
だからです。
一般に

(187)
\begin{align} \omega=a_{ij}d\theta^{i}\wedge d\theta^{j}=\frac{1}{2}\left(a_{ij}-a_{ji}\right)d\theta^{i}\wedge d\theta^{j} \end{align}

と書けることを使うと

(188)
\begin{align} R_{ijkl}=\frac{1}{2}\left(\frac{\partial^{2}e_{ij}}{\partial x^{l}\partial x^{k}}-\frac{\partial^{2}e_{kj}}{\partial x^{l}\partial x^{i}}-\frac{\partial^{2}e_{il}}{\partial x^{j}\partial x^{k}}+\frac{\partial^{2}e_{kl}}{\partial x^{i}\partial x^{j}}\right)(i\ne k,j\neq l) \end{align}

ですから、歪の適合条件はすべての成分$i\ne k,j\ne l$について$R_{ijkl}=0$を満たすことに他なりません。
3次元の場合$i,j,k,l$ のうち少なくとも一つは重複することに注意すると

(189)
\begin{align} R_{\beta\alpha\alpha\beta}dx^{\alpha}\wedge dx^{\beta}\otimes dx^{\alpha}\wedge dx^{\beta}(\alpha<\beta) \end{align}
(190)
\begin{align} R_{\beta\alpha\alpha\gamma}dx^{\alpha}\wedge dx^{\beta}\otimes dx^{\alpha}\wedge dx^{\gamma}(\alpha<\beta,\alpha<\gamma) \end{align}

の2つのパターンしか存在しないことに気づきます。そこで、

(191)
\begin{align} R_{\beta\alpha\alpha\beta}=2\frac{\partial^{2}e_{\beta\alpha}}{\partial x^{\alpha}\partial x^{\beta}}-\frac{\partial^{2}e_{\alpha\alpha}}{\partial x^{\beta}\partial x^{\beta}}-\frac{\partial^{2}e_{\beta\beta}}{\partial x^{\alpha}\partial x^{\alpha}}=0 \end{align}
(192)
\begin{align} R_{\beta\alpha\alpha\gamma}=&\frac{\partial^{2}e_{\beta\alpha}}{\partial x^{\alpha}\partial x^{\gamma}}-\frac{\partial^{2}e_{\alpha\alpha}}{\partial x^{\beta}\partial x^{\gamma}}-\frac{\partial^{2}e_{\beta\gamma}}{\partial x^{\alpha}\partial x^{\alpha}}+\frac{\partial^{2}e_{\alpha\gamma}}{\partial x^{\beta}\partial x^{\alpha}}(\alpha<\beta) \end{align}
(193)
\begin{align} \frac{\partial}{\partial x^{\alpha}}\left(-\frac{\partial e_{\beta\gamma}}{\partial x^{\alpha}}+\frac{\partial e_{\beta\alpha}}{\partial x^{\gamma}}+\frac{\partial e_{\alpha\gamma}}{\partial x^{\beta}}\right)-\frac{\partial e_{\alpha\alpha}}{\partial x^{\beta}\partial x^{\gamma}}=0(\alpha<\beta,\alpha<\gamma) \end{align}

の2パターンがSt.Venantの歪の適合方程式のすべてと結論づけられます。
すべて列挙しましょう。

(194)
\begin{align} \frac{\partial^{2}e_{11}}{\partial x^{2}\partial x^{2}}+\frac{\partial^{2}e_{22}}{\partial x^{1}\partial x^{1}}-2\frac{\partial^{2}e_{12}}{\partial x^{1}\partial x^{2}}dx^{1}\wedge dx^{2}\otimes dx^{1}\wedge dx^{2} =0 \end{align}
(195)
\begin{align} \frac{\partial}{\partial x^{2}}\left(-\frac{\partial e_{31}}{\partial x^{2}}+\frac{\partial e_{12}}{\partial x^{3}}+\frac{\partial e_{23}}{\partial x^{1}}\right)-\frac{\partial^{2}e_{22}}{\partial x^{3}\partial x^{1}}dx^{1}\wedge dx^{2}\otimes dx^{2}\wedge dx^{3}=0 \end{align}
(196)
\begin{align} \frac{\partial}{\partial x^{1}}\left(-\frac{\partial e_{23}}{\partial x^{1}}+\frac{\partial e_{31}}{\partial x^{2}}+\frac{\partial e_{12}}{\partial x^{3}}\right)-\frac{\partial^{2}e_{11}}{\partial x^{2}\partial x^{3}}dx^{1}\wedge dx^{2}\otimes dx^{3}\wedge dx^{1}=0 \end{align}
(197)
\begin{align} \frac{\partial}{\partial x^{2}}\left(-\frac{\partial e_{31}}{\partial x^{2}}+\frac{\partial e_{12}}{\partial x^{3}}+\frac{\partial e_{23}}{\partial x^{1}}\right)-\frac{\partial^{2}e_{22}}{\partial x^{3}\partial x^{1}}dx^{2}\wedge dx^{3}\otimes dx^{1}\wedge dx^{2}=0 \end{align}
(198)
\begin{align} \frac{\partial^{2}e_{22}}{\partial x^{3}\partial x^{3}}+\frac{\partial^{2}e_{33}}{\partial x^{2}\partial x^{2}}-2\frac{\partial^{2}e_{23}}{\partial x^{2}\partial x^{3}}dx^{2}\wedge dx^{3}\otimes dx^{2}\wedge dx^{3}=0 \end{align}
(199)
\begin{align} \frac{\partial}{\partial x^{3}}\left(-\frac{\partial e_{12}}{\partial x^{3}}+\frac{\partial e_{23}}{\partial x^{1}}+\frac{\partial e_{31}}{\partial x^{2}}\right)-\frac{\partial^{2}e_{33}}{\partial x^{1}\partial x^{2}}dx^{2}\wedge dx^{3}\otimes dx^{3}\wedge dx^{1}=0 \end{align}
(200)
\begin{align} \frac{\partial}{\partial x^{1}}\left(-\frac{\partial e_{23}}{\partial x^{1}}+\frac{\partial e_{31}}{\partial x^{2}}+\frac{\partial e_{12}}{\partial x^{3}}\right)-\frac{\partial^{2}e_{11}}{\partial x^{2}\partial x^{3}}dx^{3}\wedge dx^{1}\otimes dx^{1}\wedge dx^{2}=0 \end{align}
(201)
\begin{align} \frac{\partial}{\partial x^{3}}\left(-\frac{\partial e_{12}}{\partial x^{3}}+\frac{\partial e_{23}}{\partial x^{1}}+\frac{\partial e_{31}}{\partial x^{2}}\right)-\frac{\partial^{2}e_{33}}{\partial x^{1}\partial x^{2}}dx^{3}\wedge dx^{1}\otimes dx^{2}\wedge dx^{3}=0 \end{align}
(202)
\begin{align} \frac{\partial^{2}e_{33}}{\partial x^{1}\partial x^{1}}+\frac{\partial^{2}e_{11}}{\partial x^{3}\partial x^{3}}-2\frac{\partial^{2}e_{31}}{\partial x^{3}\partial x^{1}}dx^{3}\wedge dx^{1}\otimes dx^{3}\wedge dx^{1}=0 \end{align}

よく見ると同じ条件が3組含まれていますから、St.Venantの適合方程式は6本となります。