近似解法のための離散化

面積汎関数の変分は

(1)
\begin{align} \delta a=2\int_{a}{\mathrm{div}\delta\boldsymbol{u}\mathrm{da}}. \end{align}

として与えられました。
今度はこの変分問題を最急降下法で解くための離散化をGalerkin法に基づいて行います。
Galerkin法は一般に、有限要素法の基礎、として知られていますが、実は最急降下法の基礎にもなりうることはあまり知られていません。
最終的に変分問題$\delta a=0$

(2)
\begin{align} \sum_{j}{\nabla S_{j}}=\vec{\boldsymbol{0}}, \end{align}

の形式に離散化されます。$S_j$は要素面積です。
初めに、$n$個の自由度のみ持つ 関数 $\tilde{{\boldsymbol{x}}}(x_{1},\cdots x_{n},\theta^{1},\theta^{2})$で曲面の形状を近似します。一方で、$\boldsymbol{x}(\theta^{1},\theta^{2})$の形状の自由度は無限であったことに注意してください。
このとき、仮想仕事の原理は高々$n$個の独立な仮想変位に対してしか満たすことができなくなります。

一般に$\delta\boldsymbol{u}=\delta\boldsymbol{x}$です。そして、Galerkin法では、$\delta\boldsymbol{x}$を次式で置換します。

(3)
\begin{align} \delta\tilde{{\boldsymbol{x}}}\equiv\left[\frac{\partial\tilde{\boldsymbol{x}}}{\partial x_{1}},\cdots,\frac{\partial\tilde{\boldsymbol{x}}}{\partial x_{n}},\right]\cdot\left[\begin{array}{c} \delta x_{1}\\ \vdots\\ \delta x_{n}\end{array}\right], \end{align}

このようにして、確かに$n$個の独立な仮想変位、すなわち$\frac{\partial\tilde{\boldsymbol{x}}}{\partial x_{1}}\cdots\frac{\partial\tilde{\boldsymbol{x}}}{\partial x_{n}}$が準備されました。
この仮想変位を代入することで離散化された仮想仕事の原理

(4)
\begin{align} \delta\tilde{a}=2\left(\int_{\mathrm{a}}{\mathrm{div}\frac{\partial\tilde{\boldsymbol{x}}}{\partial x_{1}}\mathrm{da}}\delta x_{1}+\int_{\mathrm{a}}{\mathrm{div}\frac{\partial\tilde{\boldsymbol{x}}}{\partial x_{2}}\mathrm{da}}\delta x_{2}+\cdots\right)=0, \end{align}

を得ます。もしくは、$n$本の連立方程式の形式で、

(5)
\begin{align} 2\int_{\mathrm{a}}{\mathrm{div}\frac{\partial\tilde{\boldsymbol{x}}}{\partial x_{1}}\mathrm{da}}=0,\cdots,\,2\int_{\mathrm{a}}{\mathrm{div}\frac{\partial\tilde{\boldsymbol{x}}}{\partial x_{n}}\mathrm{da}}=0, \end{align}

と書き換えることもできます。これは離散化された停留条件です。
面白いことに、(1)式をよく見ると、$\delta$$\frac{\partial}{\partial x_i}$に置き換えることが可能ですので、面積の変分の手続きがそのまま、次の書き換えの根拠になってしまいます。

(6)
\begin{align} 2\int_{\mathrm{a}}{\mathrm{div}\frac{\partial\tilde{\boldsymbol{x}}}{\partial x_{1}}\mathrm{da}}=0\Leftrightarrow\frac{\partial}{\partial x_{1}}\int_{a}{\mathrm{da}}=0,\cdots\ \mathrm{and\ so\ on}. \end{align}

これは作用$\delta$が、もともと演算子$\frac{\partial}{\partial \epsilon}$として定義されたことによります。ここで、$\epsilon$は仮想変位に付加された独立パラメータです。
以上より$\delta a=0$の離散化が次のようにして得られました。

(7)
\begin{align} \sum_{j}{\nabla S_{j}}=\vec{\boldsymbol{0}}. \end{align}